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一反の布が、一着になるまで ─ 有松絞りと過ごした時間

  • 2 日前
  • 読了時間: 3分

7年前の出会いから、何度も足を運んでいる、有松の町。

今年も絞りまつりの季節が、来月へと近づいてきました。


有松絞りの地


昨年は、一目惚れした絞りの反物を初めてお迎えしました。

深い藍色の中に、職人の手仕事による細やかな凹凸が浮かび上がる一反。


光の加減によって、静かに表情を変えていく反物でした。



反物のまま眺めていた時間、

仕立て上がりを待つ時間、

たとう紙を開く瞬間を想像しながら過ごした日々。


その見えない時間も含めて、私にとって大切な体験となりました。




絞りの反物との出会い


今回迎えたのは、山上商店さんで出会った一反。

有松絞りの浴衣を、反物から自分用に仕立てていただくのは、

今回が初めての経験でした。



有松絞りの反物



反物を選ぶ時間は、 “服を買う”という感覚とは少し違い、

これから長く共に過ごすものを迎えるような、静かな高揚感がありました。


昨年は例年以上に、有松へ足を運び、

職人さんのお話を聞かせていただく機会にも恵まれました。


・図案、

・型彫り

・絵刷り

・括り

・染め

・糸抜き

・湯のし

・仕立て


有松絞りの工程には、たくさんの職人さんの手と想い、

長い時間が重なっています。


いくつもの工程を重ね、

何人もの職人さんの手を経て、

一着の浴衣が生まれていく。


その背景を知るほどに、

袖を通せること自体が、特別なことのように感じられます。





絞りの浴衣-仕立て上がりまでの時間


仕立てをお願いしていた方から、

巾出しの様子を写真で送っていただいた日。


有松絞りの浴衣が仕立てあがるまで
・巾だし


たとう紙の紐を解く前から、

すでに物語が始まっているような気がしました。


完成を待つ時間にも、豊かさがある。

そんな感覚を、久しぶりに思い出した気がします。


そして、仕立て上がった浴衣に初めて袖を通した日は、

“着る”というより、その時間を纏うような感覚がありました。


肩にかけ、

袖を通し、

帯を結ぶ。


その一つひとつの所作が、

いつも以上に特別に感じられた一日。


「着る」という行為そのものが、文化なのだと改めて感じました。



有松絞りの浴衣・誂え着物




暮らしとの繋がり


大量に消費され、すぐに手に入るものが増えた今だからこそ、

時間をかけて迎えるものの豊かさに、以前より心が惹かれるようになった気がします。


手しごとの温度を感じられる衣服。


何年も大切にしたいと思えるものが、暮らしの中にあること。

そんなに多くはなくても、

いつか子どもへ譲りたいと思える一着に出会えたことを、嬉しく思います。



Orinuvaでは、

有松絞りの技術から生まれる美しさを、髪飾りというかたちで取り入れています。


背景にある、長い時間をかけ人の手によって受け継がれてきた静かな時間。


これからも、その美しさや温度を、

自分なりのかたちで少しずつ伝えていけたらと思います。




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