内モンゴルの草原に舞う五色の旗 ― 自然崇拝と日本の伝統色のつながり
- vitviby
- 9 分前
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内モンゴルの草原での滞在中、パオのそばにそびえる五色の旗の建造物に出会いました。青・白・赤・緑・黄、それぞれに意味があり、自然への祈りと崇拝を表しているのだと地元の方が教えてくださいました。
青:空や天空
白:雲やミルク
赤:太陽や火
緑:草木や生命
黄:大地や豊穣
チベット仏教に由来する五元素(空・風・火・水・地)の考えとも重なり、自然そのものに祈りを捧げる象徴として受け継がれてきたものです。


内モンゴルでの時間は、まさに自然と共に生きる文化そのものでした。
どこまでも続く草原では、パオの近くをヤギが自由に歩き、馬や牛、羊たちが広大な自然の中で草を食していました。
夜には満月が大地を照らし、地平線が果てしなく続くこと、地球の丸さを体で感じることができました。
夜明け前の青い月から朝陽へと移ろう景色は、言葉を超えた美しさでした。

食事もまた、自然と共に生きる知恵を映していました。
羊や牛の肉は骨付きのまま調理するものも多く、内臓はスープやソーセージへと無駄なく使われます。
寒冷な土地ゆえに脂分も豊富にいただきますが、それは命を無駄にせず大切にいただく、感謝の心と強く結びついていました。
こうした体験は、私たち人間もまた地球の一部であり、自然や他の生命に生かされていることを改めて実感させてくれました。
環境保護やエシカルという言葉が飛び交う時代ですが、何よりも大切なのは「心で感謝し、尊重すること」。その気持ちが、一つひとつの行動につながっていくのだと、草原での体験が教えてくれました。
日本の美意識とのつながり
この体験から思いを馳せたのは、日本の伝統色や紋様の存在です。
そこにはかつての日本の景色や日常に寄り添った風景、先人たちが心惹かれた美しさが映し出されています。
自然や季節の移ろいを敬い、感謝する心が紋様や色に宿り、私たちに受け継がれてきました。まさに内モンゴルと同様に、自然崇拝の感覚が文化へと深く繋がっています。
今は日常の中で意識を向けなければ気づきにくいかもしれません。
けれど足を止めれば、庭に咲く一輪の花、窓の外に広がる空、街路樹の移ろいなど、その美しさに触れることができます。
そして人間もまた自然の一部であることを思い出せるのです。

Orinuvaの髪飾りに込めて
Orinuvaの髪飾りには、日本の伝統色や紋様を取り入れています。
それは、何気ない日常の中にある小さな美しさに心を寄せるきっかけをつくりたいから。
自然や文化に込められた感謝と尊重の心を大切に、一つひとつの髪飾りを仕立てています。
忙しい日々の中でも、髪飾りを手に取る瞬間が、自然や文化とつながる時間となりますように。